本社の方の事業で平和映画鑑賞会と戦争体験者の講演があった。竹内 昭さんという方で硫黄島からの生還者。隣の市に住んでおられて、京都で生きておられるのはこの方一人らしいです。83歳との事ですが、マイクがいらないくらいの声で話していただきました。印象に残ったのは勇敢な青年の話。硫黄島が陥落しても2ヶ月ほどは抵抗されていたようで、敵の火責めから穴を掘って濠を脱出。直後、一人の青年がアメリカ兵の陣地に突っ込んで行ったそうである。そして、日本兵が潜んでいるあたりをアメリカ兵に教えるため、自分も一緒に戻ってきたそうだ。竹内さんが自害のため、手榴弾のピンを抜いた瞬間、その青年に腕をつかまれ、結局、崖の方に投げて、一命を取りとめたそうです。生き残るという選択肢を与えられなかった現地では、この青年の行動は大変な暴挙ともいえます。しかし、簡単に自害する何倍、いや何百倍も勇気のある行動であると私は思いました。硫黄島関係の映画が立て続けに公開されましたが、私はまだ見てません。良い映画だったと聞きます。しかし、司令官や英雄の立場じゃない、一人の兵の話を直接聞くのは、大変貴重だと思いました。今日は、長崎の原爆投下日。1年に1度や2度くらいは、戦争や平和について真剣に考える日があっても良いかなって本気で考えた1日でした。
こういうデリケートな話って、どれだけ中立の立場で話をできるかで聞き手の感じ方も変わってきますよね。どうしても戦争の話って、どちらかが悪者になっていたりして(海外に知人がいたりすると)辛いです。個人レベルだと仲良くなれても、国レベルではお互いの「欲」がでちゃってうまくいかないことが多いのも事実ですよね。いま日本が抱えている「慰安婦問題」なんかもその一つ。あとに残された者はどうやって償えばいいのでしょう???硫黄島の2作品は完全に第3者の立場から見ていて、個人の視線で観れる映画でした。気持ちがニュートラルな時に観ることをおすすめします。この作品は、絶対に泣いちゃいけない!!って私は思いました。
この竹内さん曰く、あの戦闘を経験して生き残った者は、敵も味方も関係ないという想いだそうです。私なんかは、平和な時代に生きているわけで、頭では分かっているつもりでも、その心境にまでたどり着けないでしょうね。まあ、今、日本で問題なのは、戦争中行った事を認めない風潮、証拠が無いとか世界がそうだったとか。慰安婦の問題なんか、裏付ける資料が無いなんていう人がいますが、負けた国が都合の悪い資料を残す方がおかしいですね。って、この問題自体、資料として事細かに記録する方がおかしいと思います。当時の世界情勢がどうとか、連合軍もひどい事したとか、確かにそうかも知れませんが、日本のした悪い事が帳消しにはなりませんよね。今の人間が考えるのは難しい問題ですが、考えなければいけない問題です。頭から蒸気が出ない程度に考えましょう。